CP+2026 ビクセンブースにてセミナーを行いました
CP+ 2026 ビクセンブースにて「SDP65SSで撮るディープスカイ -星像と機動力を楽しむ-」と題したセミナーを行いました。資料は下記よりご覧ください。
年に一度のカメラの祭典・CP+
CP+ (Camera & Photo Imaging Show)といえば、年に一度パシフィコ横浜で行われる写真・映像業界で最も大きい展示会です。その影響力は非常に大きく、毎年主要なカメラメーカーや写真・映像関連機器メーカーが巨額の費用をかけて新製品や開発品の発表を行っており、それを目当てに全国から写真・動画の製作者やアマチュアのファン、プレス関係者などが集まってきます。各企業のブースでは、新製品の開発秘話や作例を発表したり、著名なアーティストを招いて写真や映像について語るようなセミナーが数多く開催されています。
そんなCP+では、望遠鏡や双眼鏡・天体写真用カメラなど、天文関係のメーカーも数多く出展しています。そんな中、かねてよりビクセンさんからはVSD90SSやSDP65SSのレビューをする機会をいただいておりました。このような流れから、CP+2026 にて、SDP65SSについてのセミナーをしてほしいとの話をいただき、お受けする運びとなりました。ちなみにCP+の様子についてはHIROPONさんが非常に詳細な記事を上げていますのでご覧ください。
私がはじめてCP+を訪れたのは2017年。当時はセミナーに登壇することになるとは夢にも思っていませんでしたので、このお話をいただいた際は感無量の思いでした。少しでも良いセミナーにするべく、お話をいただいてからは早速準備に取りかかりました。
セミナーの目的とゴールの設定
セミナーをお受けするにあたり、最初にビクセンさんにお伺いしたのが「今回のセミナーでリーチしたいターゲット層」です。
確認したところ、「すでに天体写真撮影に興味があり、いままでよりもさらにハイクオリティな作品をつくりたい(けどVSDは躊躇する)層」との回答をいただきました。ここで、筆者が天体写真を始めようとしたときのことを思い出してみると、写真撮影用望遠鏡の選び方がよくわからないというのが一番の課題でした。そこで、今回のセミナーのゴールとしては、「望遠鏡の作例からスペックに出てこない性能を読み解く方法」「望遠鏡を使った直焦点撮影を行う上で、どのような準備や測定が必要か」を説明することとしました。
以上から、セミナーの内容としては以下のようにしました。
- SDP65SSの仕様
- 鏡筒および各部品(付属品含む)の外観と機能(レデューサーのバックフォーカスなど)
- 接続インターフェース(接眼部・アリガタ・ファインダー脚・取付穴などの仕様)
- 撮影風景
- 性能評価
- オートフォーカス評価(バックラッシュ、フォーカスカーブ、繰り返し再現性)
- 星像(フルサイズ・直焦点+レデューサー焦点)
- 周辺減光(フラット)
- 作例紹介
- SDP65SSを使用しての感想
- SDP65SSの良い点と気になった点
- どのような方にSDP65SSをおすすめできるか
資料準備とちょっとした裏話
オートフォーカスの評価は以下の方法で行いました。
また、資料に記載したグラフはすべてPythonのMatplotlibで作成したものです。コードはWindsurfで作成しました。このソフトも日々急速に進化しており、最近ではコードの生成だけでなく、自動的にテスト、デバッグも実施します。今回の資料はAIなしでは完成できなかったと思います。
今回はバックラッシュやフォーカスカーブのプロット(N.I.N.A.のログデータよりプロットを生成)、フラットフレームの評価として水平および対角線方向の輝度分布プロットを作成しました。この程度のプロンプトと数回のやり取りで生成したのが図2です。対角線上のピクセルを抽出するアルゴリズムはAI任せにしました。結果的には、水平方向に1列ずつずらしながら、対角線からの距離が最も近い格子点を抽出したようです(図3)。水平方向の抽出と横軸のピクセル数が合う形になったため、良いアルゴリズムといえます。この手の簡単なプログラムはアルゴリズム含めてAI任せでよさそうです。



ちなみに、フォーカスカーブ(図4)はY軸対称ではなく、合焦位置を中心に非対称になっています。最初疑問に感じましたが、このような挙動はよくあるもののようです。N.I.N.A.(Hocus Focus)では、このように非対称な双曲線でフォーカスカーブをフィッティングできるようです。図4もHocus Focusが生成したカーブをただプロットしたものとなります。

ちなみにフィッティングの関数は以下のようになっています。
"Hyperbolic": "y = min(max(0, (48964.896 - x) / 20), 1) * 3.555/196.77 * √((x - 48964.896)² + 196.77²) + (1 - min(max(0, (48964.896 - x) / 20), 1)) * 3.555/106.876 * √((x - 48964.896)² + 106.876²) + -1.785",
よくわからないのでGensparkに解説させてみます。


なるほど、二つの双曲線関数を滑らかに接続したもののようです。自分でフォーカスカーブのフィッティングを行う場合にも有用そうです。
最後に
株式会社ビクセンさんには、セミナーの機会および評価機の貸し出し等大変お世話になりました。だいこもんさんには作例の撮影に同行いただき、撮影風景の写真を撮っていただきました。また、ASI6200MCのカメラは丹羽さんより貸出いただきました。皆様にお礼申し上げます。
今回のセミナーは人生でも初めてレベルの大舞台となりましたが、まずは無事に完了できてほっとしています。もし次回何らかの機会をいただけるのであれば、またご協力したいと思います。
