構図

写真を撮るうえで気にしなければいけないのが「構図」です。デジタル大辞泉によると、構図とは『絵画・写真などで仕上がりの効果を配慮した画面の構成。コンポジション。「―がいい写真」「斬新な―」』とあります。
さて、ここからは対象を天体写真(画角内に空以外が映っていない直焦点や星野写真など)に絞ります。一般的にこれら写真の構図は「南、または北」「東、または西」を画面の上にすることが多いとされています。最近お付き合いしているチリの方々は、そもそも南北と画像の辺を平行にするという発想がないようで、考え方の違いをうかがい知ることができます。というわけで、日本で一般的に言われている「北が上ルール」は、このような構図が多くの人にとって見慣れている画面となるというだけで、画面の構成を考慮して自由に変えても良いものと思います。

横構図と縦構図

写真の文脈では、構図として横構図と縦構図の2つがあるとよく聞きます。風景写真や風景が映り込んでいる写真では、地上(水平線)を基準に、地上が画像の長辺に平行であれば横構図、画像の短辺に平行であれば縦構図と呼ばれることが多いです。天体写真では地上が映り込みませんので、上述の通り南北が画像の長辺または短辺と平行かどうかで横構図、縦構図が決まることが多いです。あとは南北方向に長い対象を横構図で見せたいときは縦構図を±90゚回転させて横構図にすることもあります。この場合は東または西が画像の上を向きます。

構図(回転角度)の確認方法

どのような構図にするにせよ、画面の上が北から何度回転しているか?の回転角度を知ることは重要です。回転角度の確認にはプレートソルブを用います。プレートソルブを行うと、中心座標のほかに回転角度が計算され、表示されます。下図の例では178.55°となっており、画面の上が北から178.55°回転していることを示しています。

構図(回転角度)の変更方法

回転角度の変更には、いくつかの方法があります。

  1. カメラアダプタの回転装置を使う
  2. 鏡筒を鏡筒バンドの中で固定させる
  3. 鏡筒に付属の回転機構を使う
  4. ローテータ―を使う

いずれの方法においても、回転軸のドローチューブ(光軸)に対する同軸度が重要となります。回転機構の出来が悪い場合、回転によって同軸がずれ、光軸の狂いとなって星像の悪化を引き起こします。
1.は一般的な方法と考えられます。多くのカメラアダプタは回転機構を備えており、これを回転することで構図の変更を行います。注意点として、回転機構の固定時にカメラの面が傾いて取り付くことがあり、星像の悪化を引き起こすことがあるため、固定時は回転機構をカメラアダプタの座面に押し付けながら固定することで、傾きを抑える工夫が必要です。
2.は光軸の狂いが起こりにくい方法です。三脚座を持たないカメラレンズを使用する場合も鏡筒バンドに固定し、この方法を採ることになります。ただし、鏡筒に直接アリガタが固定されている場合は適用できません。反射望遠鏡でスパイダーにより副鏡を保持している場合、回転によりスパイダーの回折が出る方向も変わります。そのため、スパイダーがある鏡筒の場合、通常は鏡筒を回転させてスパイダーの角度を合わせたのち、他の方法を用いて回転角度を決定します。
3.は鏡筒によって回転機構を持っているものと持っていないものがあり、その回転方法も接眼体全体を回転させるもの、ドローチューブを回転させるものなどがあります。回転機構の精度によっては回転により光軸が狂うことがあります。
4.は回転のみを行うローテーターを光路内に挿入し、回転を行います。プレートソルブと組み合わせることでより簡便に回転角度を決定することができますが、市販品のローテーターは高価なものが多いです。

・・・今回安価なローテーターを見つけましたので、テスト結果をお見せしたいと思います。→次回に続く?

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