Sky-Watcher BKP130の改造補足(一体型スパイダーの作製)

この記事はBKP130の改造について書いた記事の補足となります。
改造内容のうち、「一体型スパイダー」について反響をいただきましたので、その構造や作製に当たって考えたことを書いてみたいと思います。

一体型スパイダーの構造

既存品を置き換えるスパイダーの設計にあたっては、次のようなことを考慮しました。このようなことを考え、星沼会のみなさんとデザインレビューを行ったうえで、Fig. 1のような構造に決定しました。

  • 羽式のスパイダーでは剛性に不安があるため、4本のスパイダーと外周部をリングで囲ったような構造の一体成型とする。
  • 既存のスパイダー取付部にある段付ボルト用穴(Φ8 穴)で固定できる構造にする。
  • 材料はA5052 t = 5, 表面処理はつや消し黒アルマイトとする。
  • レーザー切断での加工となるため、側面への穴あけは不可。→表面で鏡筒側の穴と固定する。
  • 鏡筒表面から斜鏡セルまでの距離は既存品とできるだけ同じにする。→取付ブロックで穴とスパイダーリングを接続する。
  • スパイダーの厚さは類似品の寸法を参考に4 mmとする。
Fig. 1 一体型スパイダーの構造と構成部品
Fig. 2 鏡筒への取付状態
No.名称仕様材料表面処理使用数ミスミ品番
1スパイダーリングA5052つや消し黒アルマイト1
2取付ブロックA5052つや消し黒アルマイト4
3段付ボルトΦ8-M5×5SUS3034DBS5-5-5
4六角穴付ボルトM3×14SUS304相当黒色塗装4CSH-SUSTBS-M3-14
5六角穴付ボルトM5×22SUS304相当黒色塗装1CSH-SUSTBS-M5-22
6クランピングスクリューM4×16.5SUS304相当3RSU4-16.5
7Oリング内径Φ7.8ふっ素ゴム4NPFH8
Table 1 部品表

鏡筒へのスパイダーリングの固定

構造を検討するうえで一番悩んだのは鏡筒へのスパイダーリングの固定です。今回の形状を作製するにあたっては、(私が利用可能な加工サービスでは)レーザー切断を使うしか選択肢がありませんでした。また、レーザー切断の場合、表面側には通し穴、タップ穴ともに加工ができるのですが、側面側には一切の加工ができません。当初はFig. 3のように側面へフラット形状を作っておき、後から手加工で穴をあけることを考えましたが、穴あけ時の位置決めが難しくなりそうだったため断念しました。スパイダーリングの側面に穴をあけて段付ボルトをねじ込むのが一番手軽ですが、板厚の制約と加工方法の制約により実現できませんでした。そのため、表面にねじ穴をあけ、取付ブロックを介して段付ボルトと接続するという方法を思いつきました。製作するパーツの数が4つ増えたことで費用もかさみましたが、結果的にうまくいったのでよしとします。

Fig. 3 側面へ穴あけする案

Oリングの追加

Fig. 1にはありませんが、段付ボルトにはOリングを装着しています。当初はOリングを使わずに組み込む予定だったのですが、組み込んでみたところ、取付ブロックに段付ボルトが突き当たっても、段付ボルトの頭と鏡筒が接触しませんでした。これでは鏡筒に固定ができないうえ、スパイダーリングの位置決めもできません。そこで、鏡筒と段付ボルトの間にOリングを追加しました。これにより、段付ボルトと取付ブロックの間に距離が空いたので、無事鏡筒に固定することができました。また、Oリングがつぶれてくれるので、鏡筒の穴とボルトの隙間から迷光が入り込むことを防ぐ効果も得られたと思います。

Fig. 4 段付ボルトと取付ブロックの位置関係

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