なのかー冬の処理祭り 結果発表! 【お題:M42】
目次
冬の処理祭りとは
日ごろからTwitterをはじめ様々なメディアを通して交流させていただいている、天体写真好きの方たち。そんな皆さんの間で、ストレッチ前の元画像を公開して、皆さんに処理してもらうという遊び(?)が流行っています。たびたび不定期に行われているのですが、最近になって(前回の記事でもお世話になった)Masaさんが、ASI071MCを使って撮影した素晴らしいNGC7000付近の画像を公開されており、総勢21名もの方が編集をされていました。
というわけで、早速企画をパク・・・まねして、私も画像を公開してみることにしました。
公開した画像はこちら。まずは私の処理結果と撮影条件です。

Optics | Vixen R200SS |
Corrector | Corrector PH |
Filter | ZWO LRGB 31mm |
Focal length | 760 mm |
F stop | F3.8 |
Camera | ZWO ASI294MM |
Gain | 120 |
Offset | 5 |
Binning | 2×2 |
Sensor temp. | -10℃ |
Exposure | L: 24 * 10 s, 20 * 120 s R: 30 * 10 s, 20 * 120 s G: 30 * 10 s, 27 * 120 s B: 30 * 10 s, 30 * 120 s Total exposure: 213 min |
Date | 28-Nov. 2021 18:34- |
Mount | SkyWatcher EQ6-R |
Guiding | 130 mm guide scope, QHY5L-IIM, PHD2 |
Software | PixInsight, Photoshop |
みなさんの処理結果
今回画像をTwitter上で公開したところ、5名の方が処理をしてくださいました。早速、皆さんの画像を紹介していきます。(順不同です)
acruxさん
おそらく一番乗りと思われるのが、acruxさん。ご指摘いただいていますが、4x Drizzleした画像をリサイズせずそのままアップしたので、皆様から「ファイルサイズが大きい」「処理が進まねえ!」とお叱りを受けました。申し訳ございませんでした。
高輝度部の諧調が素晴らしく、トラペジウムがよく分離して残っていてとてもきれいです。
あんとんシュガーさん
続いてご紹介するのはx-t2 60000(あんとんシュガー)さん。初のLRGB合成ということで、楽しんでいただけたようです。コメントからも興奮が伝わってきて、私も非常にうれしかったです。画像処理もとても初めてのLRGB合成とは思えない素晴らしい仕上がり。特にランニングマン周辺の青色がとてもきれいです。
なんと、この後私とほぼ同じR200SS+ASI294MM+コレクターPHのフルセットを購入されていました。なんという行動力・・・!
これでR200SSの購入を踏み切らせた(?)のは、永太郎さんに引き続き二人目です。
gotodebuさん
続いてはgotodebuさん。私が一番好きなタイトルのブログ、”Not goto debu“の著者様です。交流ができたのは、今回の画像がきっかけです。このような新しい交流も生まれるのは、本当にうれしいです。
処理結果は今までのお二人と比べてシャープネス重視の硬調な印象。本業は銀河方面とお見受けしますので、その影響と思われます。キリリと引き締まった画面は、また違ったかっこいい印象です。
おののきもやすさん
海外勢のスゴイ人といえばおののきもやすさん。やはり画像処理もアメリカン。と思いきや彩度は控えめのようです。『M43とランニングマンの間をモクモクさせたいだけの人生だった…』と豪語するだけあって、素晴らしいモクモク感です。私の画像に、これだけのポテンシャルがあったとは。
あぷらなーとさん
最後は毎度おなじみあぷらなーとさん。モノクロ冷却を何台も並べることに定評のある方ですが(なんと失礼な・・・)、完全なモノクロLRGBについては初めてとのこと。左下の輝星に青いハロ?が出ているのを目ざとく見抜き、修正していただきました。おかげさまで、左下に感じていた違和感がなくなり、すっきりしました。
0205追加: ふじたけさん
ふじたけさんが処理をしてくださいました。解像感を感じさせるシャープな仕上がりです。私の処理に印象が似ている気がします。「加減も手順も悩みます」とのことでしたが、実に自然な仕上がりではないでしょうか。
まとめてみる
以上、私含め総勢6名の処理結果を発表しました。皆さんがそれぞれの意志や好みを持って、それを画像に表しているというのが、ひしひしと伝わってきました。やはり、同じ天体を撮ってもこれだけ最終結果が違うのですから、つくづくこの趣味の奥深さを感じます。光学系やカメラ、フィルタ、構図などを変えれば、それこそ無限の表現方法がある。天体写真という趣味の裾野の広さを垣間見た瞬間でした。
最後に、6名の画像を平均化してみましょう。これで、皆さんの良いとこどり(逆に言えば、皆さんの癖が)になるでしょうか・・・?
それではご覧ください。これが
『総勢6名の天体写真家による、平均的な画像処理の結果』
です。
ででん!

どうでしょう。皆さんの画像の良い個性が残りつつも、平均化されてマイルドな味に仕上がったのではないでしょうか。私個人としては、この平均化が一番素直できれいに見えます。三人寄ればなんとやらといいますが、やはり皆さんの力を結集すると良い結果が生まれる、そういう見本ともいえる結果になったのではないでしょうか。
0205追記: ふじたけさんの画像も加えて平均化してみました。劇的な変化ではありませんが、トラペジウム周辺の表現がより自然になった気がします。

ありがとうございました
処理にご協力をいただいたacruxさん、あんとんシュガーさん、gotodebuさん、おののきもやすさん、あぷらなーとさん、ふじたけさん、大変ありがとうございました。このように様々な方の画像処理を比較することで、自分の画像が良くなかったところ、ほかの方の画像の良いところが良く分かり、大変勉強になりました。
今後も不定期でこのような企画を行っていきたいと思いますので、もしよかったら参加いただけますと、大変うれしいです。
皆さんの画像を並べてみました。上の平均化した結果と見比べると面白いです。

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