直焦点撮影の手順 (1)

はじめに

自身の備忘録も兼ねて、私が普段行っている、直焦点撮影による天体写真の撮影方法について、手順を記したいと思います。
手順はすべて北半球での撮影を想定しています。南半球での撮影は実施したことがないためわかりません。(南北が逆転するだけのはずです)
(写真の撮影にあたり、屋外で白ライトを照らしながら撮影するという禁忌を冒しております。今回は人のいない駐車場、かつ満月期に行っておりますので、どうかご容赦ください。また、お見苦しい写真になり申し訳ございません。)

機材構成

今回使用する機材構成は下記となります。

  • Optics: Vixen R200SS + Corrector PH (Fl: 760 mm, F3.8)
  • Hood: Original cardboard hood w/ baffles
  • Camera: Canon EOS Kiss X7i (HKIR modified)
  • Camera power supply: Anker PowerCore 10400
  • Mount: Sky-Watcher EQ6R equatorial mount
  • Mount power supply: Meltec SG-3500LED
  • Guiding Scope: SVBONY Guiding Scope (Fl: 240 mm, F4.0)
  • Guiding Camera: QHYCCD QHY5L-IIM
  • Finder: Red dot finder scope
  • PC: Dell Inspiron 15
  • PC power supply: Meltec SG-1000 (mod)
  • PC Box: Folding cooler
  • Software: SharpCap (pro license), Astro Photography Tool (APT), BackyardEOS (BYE), PHD2
図1 機材構成

手順① 赤道儀の設置

  1. 赤道儀の三脚を設置します。ポイントは以下となります。
  • 赤道儀の極望が北に向くように三脚をセットする
  • たわみ対策を実施する
  • 水平出しを行う

極軸合わせを考慮し、三脚を置く際は赤道儀の極軸望遠鏡がおおよそ北方向を向くようにセットします。初めて撮影される場所では、スマホの方位磁針アプリが便利だと思います。併せて、観測地の経度・緯度を取得しておくと、後程便利です。
三脚はできる限り水平で、硬い地面の上に設置します。特に夏場はアスファルトが高温で軟化していることがありますので注意が必要です。
設置する際、三脚の下に鉄製の板を置いています。これにより、地面へかかる応力が小さくなり、赤道儀のたわみが小さくなります。(軟らかい地面へ設置する場合は特に有効だと思います。)中には、水平を調節できる機構を備えた三脚アジャスターなる製品を使用されている方もいるようです。
三脚を置いたら、水準器を使って水平出しをします。EQ6Rの三脚には水準器が内蔵されていますが、ない場合は適当な水準器でおおよそ水平を合わせます。

図2 赤道儀を設置する
(北側から見た図)
図3 たわみ対策

2. 三脚を設置したら、赤道儀本体を設置します。重量物なので腰に気を付けながら、お腹に力を入れて持ち上げるとよいと思います。設置後は、三脚の固定ねじ、開き止めを忘れずに固定します。
3. パーツ類の取り付け・取り外しを行います。

  • 高度・方位調節ねじ (高度は観測地の緯度へ合わせておく)
  • シャフト固定ねじ(必要に応じて延長シャフト)
  • 極望カバー(取り外す)

4. 図2の向きに赤道儀の赤経・赤緯軸を合わせたら、赤経・赤緯のクランプを締めます(重要)。クランプが緩んでいると、望遠鏡を取り付けた際に赤経・赤緯軸が回転し、望遠鏡の破損、大けがにつながる可能性があります。

手順② 望遠鏡の設置

  1. 望遠鏡を取り出します。鏡筒バンドが確実に固定されていることを確認してください。
  2. 赤道儀の北側に立ち、鏡筒の開口部が左側(東側)を向くように、赤道儀のアリミゾへ固定します。この際、鏡筒が確実に固定されるまで、鏡筒から手を離さないようにします。
図4 望遠鏡の設置(北側から見た図)

3. パーツ類を取り付けていきます。

  • 接眼部: カメラ
  • ファインダー脚: ガイドスコープ+ガイドカメラ
  • フード
  • バランスウェイト: おおよそバランスの取れる位置へ固定します。

4. 鏡筒のバランス調整をします。鏡筒の固定ねじが確実に締まっていることを再度確認してから、手で鏡筒を支えながら赤経のクランプを緩め、図5の姿勢にします。
このとき、手をゆっくりと放して、鏡筒が勝手に動き出さないこと(フリーストップ状態)を確認します。確認出来たら赤経のクランプを締めます。
バランスがずれている場合は、バランスウェイトを図5の左右方向どちらかへ動かし、フリーストップ状態になるよう調整します。
続いて、鏡筒を手で支えながら、赤緯のクランプを緩めます。同様に、手を放して鏡筒がフリーストップ状態になることを確認します。
バランスがずれている場合は、一度図4の姿勢に戻してから、鏡筒固定ねじを緩め、図6の左右方向どちらかに鏡筒の位置を変更します。
バランスが確認出来たら、図6のようにアリミゾに目印をつけておくと、次回以降便利です。
完了したら、鏡筒を図4の姿勢に戻します。

図5 鏡筒のバランス調整
図6 目印をつける


5. PCをクーラーボックス内に設置し、ケーブル類を接続します。

  • 赤道儀⇔電源: 電源ケーブル(赤道儀の電源スイッチがオフになっていることを確認してから差し込む)
  • 赤道儀⇔リモコン
  • ガイドカメラ⇔PC: USBケーブル(マジックテープで鏡筒へ固定する)
  • カメラ⇔モバイルバッテリー: DCカプラのケーブル
  • カメラ⇔PC: USBケーブル

このとき、赤道儀とPCはまだ接続しないでください。赤道儀の電源を投入した後に、赤道儀のリモコンとPCをUSBケーブルにて接続します。

長くなりましたので次回に続きます。

“直焦点撮影の手順 (1)” への6件の返信

  1. こんにちは。
    おおよそ基本にのっとったお手本のような手順ですね\(//∇//)\

    やり方は人それぞれですが、自身でパターン化する事でヒューマンエラーを回避できます。
    それって何気にスムーズな撮影への移行には大切ですね\(//∇//)\
    次回の続きも楽しく拝見させていただきますm(__)m

    1. こたろうさん、
      閲覧・コメントありがとうございます。
      頭の中に動きは入っているのですが、そのうち忘れそうなので書くことにしました。
      工夫したことやアレンジしている手順も出していく予定なので良かったらお付き合いください。

  2. こんにちは。
    たわみ対策の鉄板は、10cm四方くらいのものをホームセンターなどで買ってくれば良いのでしょうか。
    私のは軽量ですが、先日、近くを歩いた時に振動を拾ったので何かした方が良いかなと思いました。

    1. Niwaさん、コメントありがとうございます。私もホームセンターで買った10 cm四方くらいのSUSの板を使っています。どのくらい効いているかはわかりませんが、高いものでもないですし試してみるのが良いと思います。

      1. ありがとうございます!
        かさばるものでもないですし、買ってきます。

        やっぱり、気づきありました
        ^_^
        続編期待してま〜す!

        1. そう言ってもらえるととてもうれしいです。続編もなんとかまとめられました。

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