Optolong L-eNhance フィルターを使ってみた ①準備編
目次
はじめに
今回、Optolong社様ならびに天文リフレクションズ様のご厚意により、Optolong社製 L-eNhanceというワンショットナローバンドフィルターを貸与いただくこととなりました。
私が所有しているナローバンドフィルターは、クリップタイプのHa(12 nm)、OIII (12 nm)の二種類になります。フィルターを取り換えながらの撮影は少々面倒であり、ワンショットナローにすることで、撮像・画像処理の手間がどのくらい軽減されるか?に注目しています。
今回の記事では、48 mm径のフィルターが自分の望遠鏡に取り付けられるか?の確認を行いました。
フィルターの詳細な説明についてはこのモニター企画のきっかけとなったこちらのサイトを参照いただければと思います。
取付確認
昨日(11/2)、モニター当選(?)のご連絡をいただき、送付先を連絡したら、即日発送いただきました。即日発送、翌日配達。迅速な対応ありがとうございました。
さて、本当はクリップタイプのフィルターをカメラボディに取り付けて、135 mm×2台のシステムに取り付けしようと思っていたのですが、こちらのフィルターは48 mm径。カメラレンズには取り付けできないことから、望遠鏡に取り付けて使うことにしました。
この形のフィルターは天体業界では標準的で、望遠鏡に取り付けられることは知っていましたが、実際に取り付けるのは今回が初めてです。
さて、今回使用予定の光学系は下記となります。どちらも使用されている方が多い光学系だと思います。
結論からいうと、どちらの光学系にもフィルターは取り付け可能でした。
- Sky Watcher BKP130 w/コマコレクター(F5) (650 mm F5.0)
- Takahashi FS-60CB w/ FC-FS マルチフラットナー1.04× (370 mm F6.2)
フィルターの表裏について
ナローバンド系のフィルターには表裏があります。表裏が間違っている場合、輝星の周囲にゴーストが出るようです。
今まで使用していたクリップタイプのフィルターではあまり気にすることがありませんでしたが、今回改めてその表裏について確認しました。
こちらのサイトによると、フィルターに何かを反射させ、像が二重に見える方が望遠鏡側、そうでない方がセンサー側ということになります。形状的に望遠鏡に取り付けられるかに加え、表裏が正しい向きで取り付けられるかも懸念でした。
早速、手元に届いたフィルターの表裏を確かめたところ、フィルターの取付部、M48オスネジが切ってある方がセンサー側ということが分かりました。果たして、取付後に正しい向きとなるのか?
BKP130へのフィルター取付
BKP130に使用しているコマコレクター(F5) (Sky Watcher製)には、補正レンズ先端にM48のメスネジが切ってありました。ここにフィルターをねじ込みました。簡単に取り付けできました。
向きを確認してみたところ、望遠鏡側にちゃんとフィルターの望遠鏡側が来ています。まずは大丈夫そう。
FS-60CBへのフィルター取付
さて、FS-60CBには、一見してフィルターを取り付けられそうな場所がありませんでした。調べたところ、フラットナーに取り付けられるようです。(メーカー推奨の方法ではありません。試される際は自己責任でお願いします。)
早速、鏡筒からフラットナーを取り出し確認。確かにメスネジ・・・メスネジ?メスねじなのかなあ。フィルターを取り付ける用に作られた形状には見えない。
手でフィルターを入れてみます。入った。
開口部から奥まった位置に取り付けることになり、ハンドリングは大変悪いです。カニ目レンチで取り付けましたが、締めすぎるとフィルターを固定しているネジだけが外れてフィルター枠が取り残されそうだったので、最小限のトルクで締めて固定しました。フィルターと接眼部の干渉、フィルターの向きなどの問題はないようです。
以上、フィルターを物理的に鏡筒へ取付できることは確認できました。これから実写に進みたいと思いますが、いくつか不安があります。
- フィルター挿入によるピントの移動(合焦するか?)
- フィルターの固定がゆるく、撮影中に動いて星像が歪まないか?
- 周辺部の収差に影響がでないか?
- 撮影した画像のカラーバランスはどうなるか?
- 近征・ニワトリ・満月期の撮影でどの程度星雲をあぶりだせるか?
そんなわけで、天気が良くなったら撮影していきたいと思います。月の大きさを気にしなくていいのは大変気楽ですね。
→次回へ続く(準備中)
“Optolong L-eNhance フィルターを使ってみた ①準備編” への1件の返信