SVBONY SV405CC レビュー (4) オフセット・コンバージョンファクタ他

前回の記事に引き続き、SVBONY SV405CCのレビューです。前回の記事で指摘したオフセットの異常については、早速SVBONYの内部へ展開され、ドライバ修正が行われました。オフセットも正しく変化するようになり、旧バージョンのドライバで起きていたコンバージョンゲインの問題や不安定な温度制御も改善されておりました。安心して使えるカメラになってきた感があります。評価できる環境が整ったので、今回は予告通り、SV405CCのオフセットやゲイン(コンバージョンファクタ)などの測定を行いたいと思います。今回の検証は全て、2022/6/13に公開されたV1.7.3のドライバを用いて行っています。

SVBONYとは引き続きDMでやり取りを続けております。後述する問題についてもフィードバック済で、検証結果を待っているところになります。ユーザの声を集めて製品の改善を繰り返している点は本当に素晴らしいと感じます。

オフセット

オフセットの測定はバイアスフレームの輝度最小値を使って行いました。撮影条件は、Gain: 120, Offset: 0-30, Bin: 1×1, Temp.: 10゚C, Exposure: 0.17 msとしました。ASI294系ではOffsetの設定値が5付近から輝度最小値が0を超えてきますが、このカメラでは15を超えると輝度最小値が0を超えるようです。余裕をもってキリのいい数字として、今後の検証は全てオフセットの値を20と設定しました。

Fig. 1 オフセットとバイアスフレーム輝度の関係

コンバージョンファクタ

コンバージョンファクタの測定はこちらの記事の方法②を用いて行いました。詳細は記事を参照ください。比較として、前回の記事で測定したASI294MMの測定結果を横並びにして比較してみます。同じイメージセンサを使っているだけあって、ほぼ同じコンバージョンファクタの値となりました。コンバージョンファクタの値はゲイン120を境にして傾向が変化しており、ゲイン120でイメージセンサのゲインが切り替わっていると予想されます。

Fig. 2 コンバージョンファクタの比較

ちなみに、コンバージョンファクタ測定用のフラットフレームを撮影する際、特に0.1 s程度の短時間露光を多数枚繰り返していると、カメラがフリーズして操作を受け付けなくなることがランダムに発生しました。実際の撮影では1 s未満の露光時間では撮影しないため、問題にならないものとは思われますが、ドライバが修正されるまでの間は注意して動作を観察したほうがよさそうです。

リードノイズ

2枚のバイアスフレームの差分について標準偏差を計算することで、リードノイズを測定しました(詳細は上記の記事参照)。前述の通り、ゲイン120を境にしてHCGモードへ切り替わっていることが分かります。全体的にSV405CCのほうがリードノイズの値が大きいようですが、顕著な差といえるほどのものではないと思います。

Fig. 3 リードノイズの比較

フルウェル

飽和させた画像の最大輝度とコンバージョンファクタより、フルウェルの値を計算しました。こちらもASI294とほぼ同等の値となっています。

Fig. 4 フルウェルの比較

撮影条件の決定

以上の結果を受けて、SV405CCでの撮影条件は、次の通りとしたいと思います。

  • ゲイン: 120
  • オフセット: 20

当初の予想通り、同じイメージセンサを使っているだけあって、ASI294とほぼ同じ特性になっているようです。購入当初リリースされていたドライバでは予想と全く違う特性が出ていたので不安でした。今回のドライバアップデートによって、ASI294MCと同じような特性のカメラとして、安心して使うことのできる土壌が整ったと感じます。
前回の記事では同条件での撮影・比較ができませんでしたが、改めて同条件での撮影を行い、ASI294MCとの比較を行ってみたいと思います。

次の記事ではダークノイズの量やピクセルのダークノイズに関する時系列解析などに取り組む予定です。

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